統計検定2級対策①統計検定、統計検定2級について

初めに

 本記事は、統計検定2級対策初回として、統計検定の概要や統計検定2級を取得する意義、試験内容、対策の仕方について話します。

統計検定とは

概要

 統計検定は、一般社団法人 日本統計学会が認定し、一般財団法人 統計質保証推進協会が実施する統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。民間資格ではありますが、総務省、文部科学省、経済産業省、内閣府、厚生労働省が後援についている資格になります。

検定の種類

 統計検定には、次の種類があります。

試験の種類試験内容
1級大学専門課程(3・4年次)で習得すべきことについて、専門分野ごとに検定を行います。
(1)統計検定準1級の内容をすべて含みます。
(2)各種統計解析法の考え方および数理的側面の正しい理解
論述試験
「統計数理」90分(午前)
・5問出題され、受験時に3問選択します。
「統計応用」90分(午後)
・下記の4つの分野があり、申込時点で1分野を選択します。
 人文科学  社会科学  理工学  医薬生物学
・各分野5問出題され、受験時に3問選択します。
準1級大学において統計学の基礎的講義に引き続いて学ぶ応用的な統計学の諸手法の習得について検定します。
(1)統計検定2級の内容をすべて含みます
(2)各種統計解析法の使い方および解析結果の正しい解釈
CBT 90分
5肢選択問題、数値入力問題
25問~30問
2級大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきことについて検定を行います。
大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきことについて検定を行います。
(1)現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集
(2)仮説の構築と検証を行える統計力
(3)新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力
について試験します。
CBT 90分
4~5肢選択問題
35問程度
3級大学基礎統計学の知識として求められる統計活用力を評価し、認証するために検定を行います。
(1)基本的な用語や概念の定義を問う問題(統計リテラシー)
(2)不確実な事象の理解、2つ以上の用語や概念の関連性を問う問題(統計的推論)
CBT 60分
4~5肢選択問題
30問程度
4級データと表やグラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中で求められる統計活用力を評価し、認証するために検定を行います。
(1)基本的な用語や概念の定義を問う問題(統計リテラシー)
(2)用語の基礎的な解釈や2つ以上の用語や概念の関連性を問う問題(統計的推論)
(3)具体的な文脈に基づいて統計の活用を問う問題(統計的思考)
CBT 60分
4~5肢選択問題
30問程度
  • PBT(Paper Based Testing):記述試験
  • CBT(Computer Based Testing):パソコンを使って解答をする試験

各検定の難易度

試験の種類求められる数学知識
1級大学数学専門課程レベル
準1級大学数学専門課程レベル
2級大学数学基礎課程レベル
3級高校数学 数学ⅠAⅡB
4級中学数学

統計検定2級

統計検定2級を取得する意義について

 データサイエンティストの求人を見ると、実務経験を問われることが多いです。それと同時に統計に関する知識を測る指標として、統計検定2級レベルと書かれていることがあります。

 現在、統計学に関する国家試験はなく、データサイエンティストとして働くために必要な統計学の知識の基準として、統計検定2級が使われています。データサイエンティストになることを目標にするのであれば、取得して損はないでしょう。

統計検定2級の出題範囲

 具体的な出題範囲は、次の通りです。

  • 統計検定3、4級の範囲(高校数学までで学ぶ統計学の範囲)
  • 1変数データ(中心傾向の指標、散らばりの指標、中心と散らばりの活用、時系列データの処理)
  • 2変数以上のデータ(散布図と相関、カテゴリカルデータの解析、単回帰と予測)
  • 推測のためのデータ収集法(観察研究と実験研究、各種の標本調査法、フィッシャーの3原則)
  • 確率(統計的推測の基礎となる確率、ベイズの定理)
  • 確率分布(各種の確率分布とその平均・分散)
  • 標本分布(標本平均・標本比率の分布、二項分布の正規近似、t分布・カイ二乗分布、F分布)
  • 推定(推定量の一致性・不偏性、区間推定、母平均・母比率・母分散の区間推定)
  • 仮説検定(p値、2種類の過誤、母平均・母比率・母分散の検定[1標本、2標本])
  • カイ二乗検定(適合度検定、独立性の検定)
  • 線形モデル(回帰分析、実験計画)

 より詳細な出題範囲は統計検定のWebサイトに出題範囲がまとめてあります。

統計検定2級の対策方法

 統計検定2級の対策をするにあたって、次の手順で習得していくとよいでしょう。

過去問を1つ解き、イメージをつかむ

 統計検定の過去問を1つ解き、イメージをつかみましょう。CBT形式になる以前の問題ですが、出題範囲などは変わっておりませんので、安心してください。

 ”あつまれ統計の森” というウェブサイトで過去問と解説のデータをまとめてくだっています。

高校数学で関連する範囲を習得する

 統計検定2級の出題範囲を学ぶ上で、確率分布の理解と計算を避けて通ることはできません。上記の出題範囲における統計検定3級、4級レベルの数学知識と微分、積分の知識は必ず必要になります。一から学びたい方はここから始められることをお勧めします。

 高校数学でも図形に関連する分野など関係が薄い分野は統計検定2級対策からは省いてよいです。下記の単元の習得ができていれば十分です。

  • 高校数学数学ⅠA:数と式、集合と論理、2次関数、データの分析、場合の数と確率
  • 高校数学数学ⅡB:指数関数と対数関数、微分と積分、数列、統計的な推測
  • 高校数学数学ⅢC:数列の極限、関数の極限、微分法、積分法、ベクトル

統計WEB 統計学の時間で学ぶ

 高校数学が習得できたら、次のステップです。統計学を学んでいきます。統計検定2級対策用の参考書を購入してもよいですが、おすすめは “統計WEB” というウェブサイトで学ぶことです。

 このウェブサイトでは、統計学の時間というページに統計検定級の範囲がほぼすべてまとめられています。初級編、基礎編、中級編、実践編のように整理されています。

Stepおすすめの勉強法
Step0.
初級編
読んで理解できればok。
Step1.
基礎編
重要事項を抑えながら、例題を解いていく。高校数学で学んだ範囲と重複している部分も多いので、すでに理解している部分はすぐ例題に取り組める。13(いろいろな確率分布)から初見のものが現れるため、ここからが本番。

 中級編以降は、統計検定2級には出題されない範囲があるため、一旦、基礎編まで学ぶとよいでしょう。

 本ウェブサイトでも統計検定2級対策用の記事をすこしずつ記事を挙げていきますので、ご覧いただけるますと幸いです。

過去問を解き、習得が不十分なところを補う

 過去問がどの程度解けるようになっているか、確認をしましょう。ある程度、問題や解答の意味が分かるようになっていると思います。ここで6割解けるようになっていれば、合格までもう少しです。

 合格を確実なものにするために、間違えた部分や理解が不十分なところを補っていきましょう。

 私は統計WEBで学んだあとは、”とけたろうブログ” を見て学習をしました。

参考




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